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【読書】2019年2月に読んだ本まとめ

こんにちは!

今回は、先月一ヶ月間に読んだ本について記事を書きたいと思います。この一ヶ月で読んだ本まとめは、本を読むだけで満足したり、冊数を読むことに傾斜しないためにも定例にしたいところです。

 

 

読んだ本のまとめ

一ヶ月に読んだ本は下記の通り。

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総評

 一ヶ月で読んだ本は38冊。その内訳は以下の通り。

 

小説 → 8冊:国内2冊、海外(翻訳)5冊、混成1冊

自己啓発・ビジネス ・その他→ 30冊

 

2月は他の月に比べると短いので、全体の冊数が少ないこと自体は特に気にする必要はないですかね。ただ、最近あまり小説が読めていないので、もう少し時間が取れるといいなとは思います。色々とやることが多くて後回しにしてしまっているので、今月からはちょっと小説読む時間の優先度を上げたいところです。

 

今月のマイベスト小説 & ビジネス書

今回の、小説・ビジネス書の中で心に残ったのはそれぞれ以下の通りです。

小説部門

2月に読んで最も印象に残った小説は、デイヴィッド・ウォルトン氏の「天才感染症」(竹書房文庫)。正確には上巻を1月末、下巻を2月頭に読んだわけですが、まあその辺の細かいことは置いておきましょう(笑)。この小説は、暗号解読部隊の主人公が謎の感染症と立ち向かうSF小説です。

 

その感染症というのは、感染すると知能が飛躍的に向上するというもの。その設定自体の面白さはもとより、エンタメ要素満載のダイナミックな展開と所々ではさまれる哲学的な問いがいかにも良質なSF小説だなと思わされました。

 

この小説の中で扱っているテーマは、昨今話題になっている所謂スマートドラッグ(記憶力などを向上させるサプリ)に対する危惧にも似ていて、人間の知能とはなんなのか?人間はどこまで自分達の脳を制御すべきなのか?ということを考えさせられます。

 

自分の中で、まだそこまでしっかり飲み込めてはいませんが、そのうちちゃんと自分の頭の中を整理してコラムとしてまとめたい本の一つです(そうやってまたコラム候補の本が増えていく・・・)。

 

>20190324 追記 書きました

【読書コラム】天才感染症 - 我々は本当に頭が良くなりたいのだろうか? - たった一つの冴えた生き様

 

ビジネス書部門

先月読んだビジネス書は本当に印象に残る本が多くて、とても悩みましたが、一番はピーター・W・アトキンス氏の「エントロピーと秩序」(日経サイエンス)です。

 

内容はタイトル通り、エントロピーと熱力学第二法則についての解説書です。熱力学についての本はいくらでもありますが、エントロピーの概念を数式を殆ど使わずに説明しているのが珍しいのかなという気がします。あまり熱力学やエネルギー工学に詳しくない方にはなじみが無いかもしれませんが、世の中には「エントロピー」という状態量があり、世の中は「エントロピー」が増大する方向にしか変化しないというのが熱力学第二法則です。

 

僕自身は大学時代の専門が熱流体工学・エネルギー工学で、このあたりの概念についてはもともと強い興味を持っていました。この本が面白いと思った理由は「エントロピー」の概念を数字を使わずに直感的な理解を促していることと、なによりも熱力学第二法則をとてもロマンチックに描いていることです。何を言っているか分からないかも知れませんが、とにかくめちゃくちゃエモいのです(笑)。

 

定められた不可逆性、崩壊に向かう宇宙。崩壊していく太陽と引き換えに得られた生物という一握りの秩序。そういうことを考えると、非常にロマンを感じます(笑)。熱力学を全然知らない人が、この本を読んで理解できるのかどうかは分かりませんが、自然科学についてある程度基礎知識がある方にはとてもお勧めの一冊です。

 

学際的な学びの必要性

2月に読んだ本の傾向は、小説はSFが殆どで、それ以外としては自然科学系のノンフィクションが多かった印象です。そのせいで、先月はテクノロジーとかサイエンスとかそんなんばっかりでしたね(笑)。もともと理系なので、そのあたりへの関心は高かったのですが、最近は特にそれが顕著でした。

 

今までは読書というと、(小説はともかく)経営書や心理学などどちらかというと文系よりな本が多かったですが、テクノロジーや自然科学についての本を読むのもやはり面白いと感じました。もともと理系方面の基礎知識はある程度あるので、比較的するっと入ってきますし、こういった自然科学の知識が今まで読んだ本の内容と結びついて急激に世界が開けて見えたような感覚があります。

 

例えば、上で紹介した本のテーマになっている「エントロピー」という概念は、同じく今月読んだ「限界費用ゼロ社会」を考える上では不可欠な要素です。それぞれを個別の問題としては知っているだけではなく、これらの知識が結びつくことで表面的ではない本質的な世の中の姿や、これから考えなければならないことが見えてきます。

 

こんな風にいろいろな知識が繋がっていくと、少しずつ高い視野から物事が見えてくるのが非常に面白いと感じるのです。

 

これは昔から思っていることですが、今の時代は文系・理系という区分自体があまり意味の無いものになりつつあると思います。今の世の中を把握するためには、経済・政治・歴史・自然科学・テクノロジー・人類学・哲学・芸術・心理学・社会学etc. あまりにも色々なことを知っている必要があるし、文系・理系の境界に相当する分野もかなり多いです。その中で「文系だから/理系だからここの部分だけしか興味がない」と言って視野を狭めていたら、なかなか見えてこないことも多いでしょう。

 

もちろん全ての分野の専門家になるのは難しいですが、色々な分野を幅広く知っていることで、見えてくる景色はどんどん広がっていくと思います。だからこそ、色々な分野の本を幅広く読んで、学際的な目線を養うことがとても重要ではないかと思います。これからも色んな本を読んでいきたいところですね!

 

まとめ

今回は2月に読んだ本のことをまとめました。今月は特にビジネス書について、紹介したい本が沢山あったので一冊しか紹介できなかったのが残念です。まあ、気になった本については別途コラムという形でまとめようとは思います。

 

それでは、また!