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【読書コラム】FU○K IT - amazonで1円で売ってる人生論

こんにちは!

今回も読書コラムを書いていきたいと思います。テーマ本はジョン・C・パーキン氏の「FU○K IT」(伏字は自主規制です(笑))。その衝撃的なタイトルに興味を惹かれて手に取りましたが、自分の価値観に非常に近いと感じ、人生における愛読書にすると心に決めました(笑)。

 

だいぶふざけたタイトルですし、内容も結構ふざけているんですが、それでいて非常に示唆に富んでいて、人生観を改めて考えさせられた本でした。ということで、今回はこの本についてのコラムを書いていきたいと思います。

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おことわり

本文に入る前に、何点かおことわりしておきたい点がありますので、ご承知の上お読みいただければと思います。

 

1. 読書コラムという形式

まずは本記事のスタンスについてです。本記事では、私がテーマ本を読んだことをきっかけに感じたことや考えたことを書いていくものとなっており、その意味で「読書コラム」という名称を使っています。

 

書評を意図したものではないので、本の中から筆者の主張を汲み取ったり、書かれた時代背景や文学的な考察をもとに読み解こうとするものではないので、そういうものを求めている方には適していないと思います。あくまでも「現在の私が」どう考えたかについての文章です。人によっては拡大解釈しすぎではないかとも思うかも知れませんが、その辺りは意見の違いということでご勘弁いただきたいところです。

 

2. 記事の焦点

どうしても文章量の都合とわかりやすさの観点から、テーマ本に描かれている色々な要素のうち、かなり絞った内容についての記事となっています。

 

本当は色々と書きたいのですが、どうしても文章としてのまとまりを考えるとそぎ落とさざるを得ない部分がでてしまうのが実情です。

 

3. ネタバレ

今回は自己啓発的な本なので、ネタバレは特に気にならないと思います。

 

前置きが長くなってしまいましたが、ここから本文に入っていきたいと思います。

 

総括

この本を読んで私が感じたことは、「自分にとって大切なものが何かを常に考える必要がある」ということ、そして「大事でないものに対してFU○K ITと言い放つことが重要である」ということです(笑)。いや、もちろん口に出して「FU○K IT」という必要はないのですが、そういうマインドセットが大事だということですね。

 

それでは、 詳しく見ていきましょう。

 

FU○K ITの哲学

まず、この本に書いている内容について簡単に紹介します。

 

衝撃的なタイトルのこの本ですが、書いてある内容自体は結構真面目です。主張していることは日本でベストセラーにもなった岸見一郎さんの「嫌われる勇気」に近いと思います。非常にざっくりまとめると「自分が囚われている執着や社会常識、他人からの評価といったものに対して『FU○K IT!』と言うことで、生きやすくなりますよ」というのが筆者の言わんとしているところです。

 

文章にとてもユーモアがあって、変な堅苦しさは全く感じられず、ふざけているとしか思えないような文体が僕の人生観と非常にマッチしていました。そういう意味では、一般的に意識高いと言われるような自己啓発書に苦手意識がある方にもおススメです。ちなみにアマゾンで中古は1円で売っていたので、気になる方は是非手にとってみてください(2019/2月現在。配送料はかかりますよ!)。

 

多すぎる荷物

まず、この本にも書いてあることですが、とにかく今の時代は一般的に大切にすべきと言われることや人間として求められる物事が多すぎます。社会やコミュニティが求める理想の人間像というのが、非現実的なまでに肥大化しているといってもいいかもしれません。この本では以下のようなことが例として挙げられています。

 

- ルックス

- 夢をかなえて、成功すること

- 周囲の人たちを大切にすること

- 人の役に立つ、物事をいい方向に変えようとがんばること

- お金(余裕のある財産を持つこと。または、超リッチになる)

- できるだけ正しい行ないをすること

- いつも明るく笑っていること

- 神さま、仏さまなどへの信仰

- 健康を維持すること

- 仕事の納期を守ること

- 子どもの前で汚い言葉を使わないこと

- もう数年来続けているガーデニング

- テレビの連続ドラマを見逃さないこと

- 人に自慢できる車を持つこと

 

こうやってリストにしてみて感じるのは、この延々と続くリストを全て実行することが出来るのか?という素朴な疑問です。上に書いているリストの内容は、たしかに全てを完璧にできる人がいれば、それは非常に素晴らしいことだと思います(テレビドラマなんかは微妙ですが(笑))。

 

しかし、人間が完璧に合理的な存在ではない以上、そんなことは不可能だということは言うまでもありません。色々な事情があって仕事の納期を守れないことがあったり、虫の居所が悪くて明るく振る舞えなかったり、子どもの行動にイライラして汚い言葉を吐いてしまったりするのが人間の性というものです。

 

全て完璧にしなければならないと言う強迫観念に迫られるけど、結局どれも中途半端になってしまい、自己嫌悪に陥る。僕は、こういうところに、生きづらさの元凶があるのではないかと思っているのです。非現実的なまでの理想を押し付けられ、そこに到達できなくて挫折感を味わってしまっている、と言い換えてもいいかもしれません。

 

世間が期待するもの

考えてみると、そもそも周りから期待される「大切にすべきもの」(常識と言い換えてもいいかもしれません)というのは他人や社会にとって都合がいいからに過ぎません。もちろん、それ自体が悪いわけではないし、社会が成立するには一定の規範は必要です。最低限、人が守るべき約束事がなければ社会は成立しませんし、そういった助け合いの仕組みがあることで社会全体の幸福度が向上すると言う側面もあります。

 

それでも、その期待に100%応えることはできないのは明らかです。良き市民という理想像を語るのは簡単ですが、それができるかどうかは別問題です。

 

これに関して、僕が世の中を見ていて大きな違和感を抱いていることがあります。それは、大人が子どもに対して「計画的に勉強しなきゃいけない」とか「約束した期限は守らなければならない」といった教育をすることです。そういう大人に僕が問いたいのは

 

「きっちり計画を立てて仕事ができている社会人がどれだけいるのか?」

「スケジュール通りに終わるプロジェクトがどれだけあるのか?」

「期限が守られずに放置されている約束が世の中にどれだけあるのか?」

 

ということです。要するに何が言いたいかというと、大人は自分が出来ないことを、さも出来て当然かのように子どもに要求している、ということに対する違和感です。僕は教育の専門家ではないし、これに対して深く議論するつもりはありません。教育者は教育者なりの理屈があるのでしょうし、それを否定するつもりはありません。

 

ただ、ここで明確にしたいのは、人は、誰かに常識や規範を押し付ける時、必ずしも自分自身がそれを100%実行できているとは限らないということです。そう考えると、そういった期待に完璧に応えることは出来ないし、その必要もないということは納得できると思います。だからこそ、自分にとって苦痛でしかない常識・規範に対しては「FU○K IT」と高らかに叫べばいい、というというわけです。

 

大事な価値観を決めるもの

これは完全に僕の個人的な意見ですが、そもそも人間が生きることに高尚な意味など無いと思っているし、それを求めることも無意味だと思っています。だからこそ、自分の好きに生きればいいし、他人から押し付けられる価値観や常識などというものは無いと思うのです(このあたりは、以前「わたしを離さないで」のコラムで書きました)。

 

【読書コラム】わたしを離さないで - 生きる目的を考える - たった一つの冴えた生き様

 

こういうことを言うと、普段の僕の行動を見て、「それにしては意識が高いね」とか「それなら、本なんか読まずにもっと自堕落に生きればいいんじゃないか」という方がいるかも知れません。それに対する回答は、シンプルに、自分が今のような生き方がしたいからそうしているだけである、と言うものです。

 

自堕落に生きることが悪いとは思いませんし、そう生きたい人はそうすれば良いと思います。ただ、僕はそういう生活がしたいとは思わないというだけの話です。いつも言っている話の繰り返しになりますが、色々な本を読み、色んな人と話すことで学び続けるというのは僕の理想の生き方ですし、人に対して誠実で、自分や自分の大切な人達を護るための知恵を持ち、健康でいるというのは僕の中で大切にしている考え方です。

 

もちろん、そのために諦めていることだってあります。世の中的にはやった方が良いこととか、「立派な社会人」としてやっておくべきと言われることはたくさんあります。しかし、時間の制約もあるし、完璧な存在では無いので、それら全てに手を出すことは出来ません。本当に自分が大切だと思うことを大切にするために、自分が大切だとは思わない規範・常識にはある程度目を瞑る必要があると思うのです。これが冒頭に書いた「自分にとって大切なものが何かを常に考える必要がある」、そして「大事でないものに対してFU○K ITと言い放つことが重要である」ということの意味です。

 

当たり前ですが、僕が大切にしていることや僕の価値観は絶対のものではないし、また少し時間が経てば僕自身の中でだって変わる可能性は十分あります。ただ、大事なのは世間や他人に押し付けられる規範を安易に受け入れるのではなく、自分が本当に大切だと思っているものは何なのかを、それぞれの個人が常に問い続けることが重要ではないかというのが今回の僕の言いたいことです。

 

まとめ

今回は、僕がマイベスト自己啓発書と言える本である「FU○K IT」を読んで感じたことを書いてみました。なんだかんだでいつも言っていることは対して変わらないということは自覚していますが、色んな本を読むことで少しづつ自分の価値観や考え方が洗練されていく感じがあります。

文中にも書いた通り、非常にオススメの本なので、気になる方がいればぜひ読んでみてください。

それでは、また!