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【読書】2019年6月に読んだ本まとめ

こんにちは!

 今回は、先月一ヶ月間に読んだ本について記事を書きたいと思います。この一ヶ月で読んだ本まとめは、本を読むだけで満足したり、冊数を読むことに傾斜しないためにも定例にしたいところです。

 

 

読んだ本まとめ

一ヶ月に読んだ本は以下の通り。

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総評

一ヶ月で読んだ本は42冊。その内訳は以下の通り。

 

- 小説・エッセイ → 5冊:国内4冊、海外(翻訳)1冊

- 自己啓発・ビジネス ・その他→ 37冊

 

5月は40冊だったので、冊数としては引き続き微増。新書は1日2冊というのはほぼ習慣化できているのですが、相変わらず小説があまり読めていないのをなんとかしたいところ。

 

平日は通勤時間(主に帰り)で小説を読む時間が取れているんですが、土日はブログを書いたり、読書会に出たりであまり小説が読める時間が取れていないのが実情です。ちょっと前までは休日にカフェで小説を読むというのもよくやっていたのですが、最近はそれができていないのが要因ですね。。。

 

どうしても休日は何か動いていないといけないような気がしてしまっているので、ちょっと落ち着くためにも真剣に読書の時間を確保する方法を考えた方が良さそうです(余談ですが、いま改めて振り返ってみて、なんとなく「モモ」を思い出してしまいました)。

 

今月のマイベスト小説&ビジネス書

毎月恒例となっていますが、その月で最も印象に残った小説・ビジネス書をご紹介します。

 

小説部門

今月最も印象に残ったのは早川書房編集室編「伊藤計劃記録」です!

 

先日書いた彩ふ読書会のレポートでも紹介した本ですが、内容は伊藤計劃氏の短編小説4編(屍者の帝国の冒頭含む)と、雑誌への投稿記事(エッセイ・インタビュー・対談記事)、そして自身のブログに書いていた映画のレビューをまとめた本となっています。

 

短編小説の「The indifference Engine」と「From nothing, with love」が本当に素晴らしくて、なんで今まで読んでいなかったのかと思うほどです。有名な「虐殺器官」や「ハーモニー」にも通じる思想が見られ、読んでいて物語展開に衝撃を受けるとともに、そこに提示される哲学的な思索が非常に刺激的でした。

 

また、エッセイに関しても読み応え抜群です!

 

意識や「私」、物語についての考察がとても興味深いとともに、読んでいてその内容に驚愕を受けました。それは、エッセイの論調やその思想・哲学があまりにも僕の書くコラムに似通っていたためです(この本を読むまで伊藤計劃さんの文章は小説しか読んでいなかったにも関わらず、です)。改めて、僕がこの作家に受けた影響の大きさを痛感しました。

 

特に「人という物語」というエッセイを読んでいる中で、「この人は僕の中に生き続けているな」と感じていた矢先、最後の文章はこちら

 

これがわたし。

これがわたしというフィクション。

わたしはあなたの身体に宿りたい。

あなたの口によって更に他者に語り継がれたい。

 

全てを見透かすようなこの文章を読んで、正直鳥肌が立ちました。僕がこの人の代弁をできるとは到底思っていませんが、ある意味で、僕はまさに「死者の帝国」を生きているのかもしれません(この言葉の意味はこの本を読めばわかると思います)。まあそんなこともあり、今回はこの本を小説部門のベストに選ばせていただきました。

 

ちょっとテンションが上がってしまったのか、説明がいつもよりだいぶ長いですね(笑)

 

ビジネス書部門

今月は割と面白い本が多かったので悩ましいのですが、あえて一冊選ぶとするなら外山滋比古さんの「乱読のセレンディピティ」です。

 

筆者の外山滋比古さんはベストセラー「思考の整理学」で有名な方で、物事の思考法について定評のある方です。この本のタイトルにも用いられている「セレンディピティ」という言葉についても「思考の整理学」の中で言及されています。

 

ざっくり言うと「セレンディピティ」とは思わぬ発見のことで、探していたものではないものを偶然発見してしまうことを言います。通常はあまりいい意味で使われない「乱読」ですが、乱読をすることで「セレンディピティ」が得られ、新たものを創造していくことができる、と言うのがこの本の概要です。

 

僕自身が乱読家であることは今回の読んだ本のまとめを見てもらえれば分かる通りだと思います。僕はどちらかというと予定調和があまり好きではなく、何が起こるかわからないからこそ面白いというタイプなので、書かれてある内容にはすごく納得してしまいました。

 

特に印象に残ったのは『新しい文化を創り出す志を失った教養では、不毛である』という言葉です。僕自身、単に知識を得るための教養ではなく、新たな文脈・価値観を作り出すことが教養を学ぶ意味だと考えていたこともあり、知の巨人である著者によるこの言葉には強く勇気付けられました。ちょうどこの本を読む直前に書いた「零號琴」のコラムで言及したことと、ほぼ同じ内容だと思います。

 

【読書コラム】零號琴 - 教養はなぜ必要か? - たった一つの冴えた生き様

 

現代日本を考える

今月は新書を中心に現代日本が抱える問題についての本を数多く読みました。「日本の論点」をはじめ、「日本の分断」「教室内(スクール)カースト」「就活のバカヤロー」「劣化するオッサン社会の処方箋」などですね。

 

内容としては聞いたことがある話が多かったですが(「日本の分断」は除く)、何となくで問題を捉えていた頃に比べ、だいぶ見え方が変わってきたように思います。おそらく、これまでに様々な本を読んできたためだと思うのですが、自分の立場からの視点だけではなく、それぞれがどういう立場で行動しているのかが見えるようになってきたという印象です。

 

スクールカーストであれば自分が学生だった頃の立場でしか見られなかったのが、教師や学校、カースト上位者の視点からも考えられるようになったり、就活問題であれば就活生だけではなく、大学や採用する側の企業、人材会社の立場なども理解できるようになってきたりしている、と言うとわかりやすいかもしれません。

 

冷静に考えれば現代に残っている問題というのは簡単な問題ではなく、誰か悪い奴を排除すれば済むような話ではないはずです。そのため、現代社会の問題を改善していくためには、自分の不満を撒き散らすだけではなく、その問題の構造を理解し、どういった構造の変革が必要なのかを考えなければなりません。「いじめは良くない」と言っているだけでは物事は解決しないのです(もちろん、不公平感を適切な方法で表明することはそれはそれで必要なことです)。

 

やはり、現代日本を生きる身として、物事の構造や自分にできることを考えながら行動することが必要だなぁと痛感した月でした。「乱読のセレンディピティ」の紹介で書いたことではないですが、本を読んで知識を得るだけで満足しないよう、肝に銘じたいところです。

 

まとめ

今回は6月に読んだ本のことをまとめました。やはり、読みっぱなしにするのではなくこうした形で定期的に自分の読んだ本を振り返る機会を設けることはなかなかいいですね!

 

それでは、また!