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【読書会】彩ふ読書会(名古屋・神戸) 2020年1月参加レポート

こんにちは!
先日1/13に行われた、のののさん主催の彩ふ読書会に参加したので、そのときのレポートを書きたいと思います。普段の彩ふ読書会は東京の会に参加しているわけですが、今回は名古屋と神戸の読書会に遠征してきました。

開催者の方の公式のレポートはこちら。
【名古屋】2020年1月13日(月・祝) 読書会レポート | 彩ふ読書会
【神戸】2020年1月13日(月・祝) 読書会レポート | 彩ふ読書会


彩ふ読書会名古屋地区・神戸地区

彩ふ読書会は、のののさん(通称のーさん)という方が主催している読書会です。のーさん自身は大阪の方で、もともとは大阪を中心に読書会を行っていたそうなのですが、それをもっと広げようということで、現在6拠点(大阪・東京・名古屋・京都・神戸・横浜)で読書会を展開しています。本当に主催者の方の行動力には脱帽する限りです。

この読書会のコンセプトとして主催者が掲げているテーマは「居場所作り」で、私自身がこのコンセプトに強く共感したこともあり、2018年6月より東京地区のサポーターとしてお手伝いさせて頂いております。

一年以上ぶりに名古屋で彩ふ読書会を開催するということで、旅行がてらちょっと行ってこようかなと思ったのが今回の遠征のきっかけです。その話をのーさんや神戸のサポーターの方とLINEで話しているうちに、気がついたら神戸にも参加することになり(笑)、勢いに任せて名古屋 → 神戸の読書会巡りをすることになったわけです。具体的な日程としては午前の10時〜12時は名古屋で、そのあと新幹線で神戸に移動。さらに15時〜17時くらいで神戸というスケジュール。

参加者は名古屋と神戸でそれぞれ9人と8人。最近の東京彩ふ読書会は20〜30人とだいぶ大規模になってきたので、少人数での読書会はかなり久しぶりです。一度に会える人数は少ないものの、その分じっくり話せるのは少人数だからこそのメリットだなと改めて感じました。

午前:「推し本披露会」名古屋地区

今回は少人数ということでグループ分けはなし。紹介された本たちはこちらです (参加者直筆の紹介文は公式レポートで公開しています。ぜひそちらもご覧ください)

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今回、僕が紹介した推し本はジョン・ブラッドショーという方の『猫的感覚』。内容としては猫についての研究の本で、主なテーマは人間と猫の歴史、猫の生態、そして野生動物と猫との共生についてです。この筆者が強調しているのは、猫はもともと狩猟を行う肉食動物という側面が強いにもかかわらず、最近はペットとして愛玩されることで人とのつながりを求められていることです。言い換えれば、「ハンター」としての血と猫と触れ合いたいという人間の欲求の板挟みの中で生き抜くことが必要になってきているというわけです。

猫と人間の関わりは案外古く、人類は古くから食料を荒らすネズミを退治するために猫を手懐けていたと言います。古代エジプトでは、猫を模した像や壁画が描かれるなど、人類の崇拝の対象として位置付けられていたという話はなかなか面白いですね。しかし、一転して中世では魔女狩りという文脈で人類から迫害を受けており、人類と猫との関係は一筋縄ではいきません。現代では主にペットとして愛玩されている猫ですが、やはり「ハンター」としての血が騒ぐらしく、どこかで捉えてきたネズミの死骸を飼い主の家に持ち込むという形で人間を困らせることがあるようです。いやはや、なかなか複雑な関係ですね。

今回この本を紹介した理由は、なんと言っても、名古屋という普段とは違う環境だったためです。どんな方が参加するのか全くの未知数であるという久しぶりの状況にあって、「猫」という話題であれば誰とでも共有できるだろうという短絡的な思考です(笑)。まあ、参加者の方から「私は犬派です」と言うコメントをいただいたわけですが(笑)

東京の読書会だと、周りも知っている顔が少なくないのでかなりリラックスしていますが、久しぶりに周りに知っている人がいない(主宰ののーさんを除く)という経験を味わうことができました。読書会慣れしているので単純に比較することはできませんが、初めて彩ふに参加した日のことを思い出しますね(人数的にも大体あの時と同じくらいだったと思います)。そこまで緊張したわけではありませんが、それでもいつもよりはきちんと本の説明をしようという気持ちになりましたし(いつもの紹介が適当すぎるのかも知れない(笑))、新鮮な気持ちで参加できたと思います。

そして、驚くべきは名古屋での開催は1年以上ぶりであるにも関わらず、以前参加された方がこの日もまた参加されていたことです。昨年は、大阪・東京・京都の月一定期開催に加えて、名古屋で開催予定だった会が台風で中止になったなどの事情もあり、名古屋での開催にはかなり間が空いてしまいました。それにも関わらずリピートして参加してくださることがいるということを知って、この読書会が「居場所」として機能しているんだなぁということを強く感じました。

他の方々が紹介されていた本も、どれも気になりますね。

関西や関東の彩ふでも人気の高い森見登美彦さんの『夜行』(ちょくちょく見かけるのに、ホラーであることをこの日初めて知りました)や、ドストエフスキーの『悪霊』(カラマーゾフや罪と罰よりも筋が掴みにくいとはハードルが高すぎる…)、あらすじを聞いた感じあまり江國香織っぽくない『間宮兄弟』(江國さんの本は読んだことがありませんが、女性目線の恋愛ものが多いイメージがあります)、本作り協会による強いこだわりで作られたらしい『本について』(フォントもこの本用に作っているらしい)などなど。

『「働きたくない」というあなたへ』という紹介の後に『アンネの日記』を紹介した方が、本の中で「働きたくない、という人の気が知れない」という内容が書かれていた、というちょっと面白いくだりもありました。本のイベントでビビッときて購入したという『いつか僕が帰る場所』(感染症で人類が絶滅しかかっているという、ちょっとSFっぽい設定で、内容が気になります)、昔教科書に掲載されていることをきっかけに買ったという山本文緒さんの『絶対泣かない』(本の紹介がうますぎてめっちゃ続きが気になりました)など、紹介した本自体だけでなく、それを手に取ったきっかけという話も面白かったですね。

そんなこんなであっという間のひと時でした。そして、名古屋の会場がお開きになったところですぐに神戸へ移動です!

午後:「推し本披露会」神戸地区

バタバタとしながらも、神戸の会場に到着。他の参加者が来れられるのを待つ間に昼食をとり、神戸の会に備えます。この日はちょっと朝が早かったこともあって、神戸の会ではだいぶ集中力が切れていた気が…。

開催場所は、ガレージの奥にある秘密基地感のあるレンタルスペースで、こじんまりとしていながらもアットホームな雰囲気がちょっと彩ふらしいなぁと思いました。また、この日はLINEコミュニティ等で良く会話している神戸のサポーターの方ともお会いすることができました!

神戸の会も少人数制でグループ分けはなし。名古屋の時も感じましたが、やはり大人数とは違った良さがありますね。今回彩ふ読書会が初参加の方も直ぐに打ち解けているのを見て、これも少人数制だからこそなのかも知れないなと思いました。

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神戸の会で紹介させていただいたのは、プロゲーマー梅原大吾氏の「1日ひとつだけ強くなる」です。伝説的プロゲーマーの彼が書いた人生哲学とも言うべき本で、そのストイックすぎる生き様は「カッコいい!」の一言です。神戸の会はあまり頭が回っていなかったこともありますが、紹介と言いつつ、もはや「梅原カッコイイ!」ばかり言っていた気がします(笑)。大袈裟でなく、10回くらいは言った気が…(笑)

この方の哲学はとにかく成長し続けること、そしてそれ自体を楽しむこと。一度の勝負で「勝つ」ことにこだわるのではなく、「勝ち続け」られるような生き方をすると言う姿勢は見ているだけで背筋が伸びてしまいます。「成長するためには、とにかく自分の中の何かを変え続ける必要がある」という主張が僕はすごく好きで、うまくいくかどうかはわかないけれど、とにかく出来ることから何か行動を起こしてみるということは常々意識したいと思っています。どうしても、うまくいくかどうかを気にしてしまったり、何が正解がわからない時には現状維持に甘んじてしまいがちですが、まずは考えうる選択肢を試す気概が必要ですね!

正直言って、僕自身は勝負ごとや優劣をつけることに対してはあまり興味が無いのですが(基本的に楽しければそれで良いスタイルなので(笑))、そんな僕でも梅原さんから学べることが多くあるように思いました。鼻息荒く「成長」を息巻くわけでは無く、静かに、それでいて力強い意思には軽い憧れを感じてしまいますね。

他の方の紹介本としては、全体的に小説が多かったイメージですね。平野啓一郎さんの「マチネの終わりに」、真山仁さんの「コラプティオ」、筒井康隆さんの「家族八景」、山本文緒さんの「恋愛中毒」などですね。実は、山本文緒さんという作家さんはこの日初めて知ったのですが、まさかの名古屋と神戸の二箇所で紹介されるという珍しいことが起きました(笑)。それも、「恋愛中毒」は名古屋の方が「今この本読んでいるんですよー」と言っていた本だったので、不思議なつながりを感じてしまいます。

それ以外だと健康系の「月曜断食」と漫画の「帝一の國」ですね。「帝一の國」は、てっきりもっと殺伐とした学園サバイバルものみたいなものかと思っていたので、コメディと聞いて驚いてしまいました(笑)

そんなこんなで神戸の読書会もお開きに。この日は大阪や京都の読書会に参加された方も来ていたりしていて、そういう地域間の往来があるのも関西の彩ふの面白さだなぁと思いました。関東は今までは東京しかなったので、これから横浜が増えてどんな感じになるのかが楽しみです!

まとめ

今回は1/13に行われた彩ふ読書会の名古屋・神戸の遠征レポートを書かせていただきました。改めて振り返って思いましたが、名古屋と神戸に行きながら、本当に読書会しかしていない(笑)

もちろん、それに対して全く後悔とかは無いのですが、本当の意味で読書会のためだけに遠征していたという事実に気付いて、ちょっと面白いなと思ってしまいました。というより、毎回東京まで遠征してきている主催の方がすげーなと改めて感じます。本当に、ありがたい限りです。

次は1/19の横浜と1/26の東京です。午後の部の課題本はそれぞれ、三浦しをんさんの「風が強く吹いている」と朝井リョウさんの「何者」。両方を読み終わって思いましたが、どちらも人と話したくなる小説だったので、来週・再来週の読書会も楽しみです!

まだ募集は継続しているので、ご興味のある方はぜひ公式ホームページをご覧ください!
1/19(日) 横浜
【横浜】2020年1月19日(日)AM "推し本披露会" 開催のお知らせ | 彩ふ読書会
【横浜】2020年1月19日(日)PM "風が強く吹いている"課題本読書会 開催のお知らせ | 彩ふ読書会

1/26(土) 東京
【東京】2020年1月26日(日)AM "推し本披露会" 開催のお知らせ | 彩ふ読書会
【東京】2020年1月26日(日)PM "何者"課題本読書会 開催のお知らせ | 彩ふ読書会

それでは、また!