たった一つの冴えた生き様

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【読書会】彩ふ読書会9月参加レポート

こんにちは!

先日9/16に行われた、のののさん主催の彩ふ読書会に参加したので、そのときのレポートを書きたいと思います。

 

普段は読書会に参加しても、あえて記事を書いたりはしないのですが、この読書会はサポーターとして参加させていただいていることもあり、ちゃんとレポートを書きたいと思います。

 

開催者の公式レポートは下記になります。

iro-doku.com

これまでは、この読書会では午後の課題本形式にしか参加していなかったんですが、今回は午前の推し本読書会にも参加させていただきました。

 

 

彩ふ読書会東京地区

彩ふ読書会は、のののさんという方が主催している読書会です。のののさん自身は大阪の方で、もともとは大阪を中心に読書会を行っていたそうなのですが、それをもっと広げようということで、東京・名古屋・福岡などでも読書会を展開しています。本当に主催者の方の行動力には脱帽する限りです。

 

この読書会のコンセプトとして主催者が掲げているテーマは「居場所作り」で、私自身このコンセプトに非常に共感したこともあり、サポーターとしてお手伝いさせて頂いております。今回はサポーターとしての参加は二回目ですが、自分の立ち振る舞いなんかは多少はこなれてきて、割と肩の力は抜けてきたと感じます。

 

もちろん、その時々で参加される方が違えば雰囲気も異なるので、日々反省しつつ、それでいて完璧を求めすぎない程度の心持で引き続きやっていくつもりです。特に自分の場合肩の力を抜きすぎると、無頓着な発言をしたり、無意識に強者の理論を振りかざしたりしがちなので、そこは気をつけていきたいところ。

 

午前の部「推し本披露会」

紹介された本たちはこちら

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私が紹介した推し本は森博嗣さんの「スカイ・クロラ」

 

午前の部については、実際に参加するのは初めてだったので事前に何を紹介するかはちょっと悩みました。写真やレポートでどんな本が紹介されているのかは知っていましたが、雰囲気なんかは実際に参加してみないことにはわからないですからね。今回は自分の中で推し本を選ぶ基準としては以下の三つを意識しました。

 

・割と有名どころで、手に取りやすいこと

居場所作りというコンセプトでもあるので、あまりコテコテの文学とかSFとかよりは比較的ライトな本の方が興味をもっていただけるのかなと思いました。これ読書会あるあるだと思うんですが、回数を重ねてくると、他の人が知らないような本を紹介したくなってきて、どんどんマニアックな方向に行きがちです(笑)。少なくとも、この読書会では多少既読の方が居ても気にしない心持ちで紹介本を決めようと思いました。

 

・色彩感を意識した選定

せっかくなので、この読書会独自のテーマとして、「彩ふ読書会」の名にちなんで色彩感を感じられる本を選びたいと思いました。表紙の装飾だったり、小説の中での風景描写だったりの中で鮮やかな色を感じられる本がいいなーと。

 

・そしてなによりも、自分で面白かったと思えたこと

これは前提条件ですね(笑)。やはり自分が面白いと思えた本でないとなかなか上手く紹介もできないと思いますし、紹介する気にもなりませんからね。

 

上記三点を考慮したうえで、最終的に「スカイ・クロラ」を紹介させていただくことにしました。真っ青でインパクトのある表紙と、作品世界で描かれる澄み切った空の青さが魅力の本で、個人的にもかなり好きな作品です。アニメ映画にもなっていますし、作者の森博嗣さんも有名なのでそういう意味でも割と無難なチョイスだったとは思います。その魅力を十分お伝えできたかはちょっとわかりませんが(汗)

 

まあ、色彩感については毎回意識すると紹介する本の幅がだいぶ狭くなってしまうので、これを意識するのはおそらく今回だけになると思います。ただ、それ以外の部分については今後も意識しようと考えています。もちろん、これはあくまでも自己満足の問題なので、これから参加される方がこれらの意識する必要は全然なく、自分の好きな本を好きなように紹介してもらうのが一番だと思います。念のため。

 

他の参加者の方の紹介した本の中で特に気になったのは、村上龍さんの「歌うクジラ」と森絵美さんの「カラフル」の二冊です。

 

「歌うクジラ」はSF小説らしく、話を聞く感じだとなかなか面白そうな設定です。村上龍さんの本は全然読んだことがなく、国内のSFについてもあまり詳しくないので、そのとっかかりの意味でもそのうち読もうかと思います。

 

「カラフル」はいじめを題材にした小説らしく、奇しくも色彩感の感じられるタイトルと表紙に興味を惹かれました。いじめを扱った小説としては川上未映子さんの「ヘヴン」くらいしか読んだことがないので、その違いも含めてちょっと読んでみたいと思いました。「ヘヴン」はいじめの描写がかなりえげつなく、内容的にも結構哲学的要素が大きい癖のある本でしたが、紹介している方の話を聞く限りそういう感じではなさそうな気がします。

 

午後の部「課題本読書会」

今回の課題本は、ミヒャエルエンデの「モモ」でした。もともとは7月の課題本の予定でしたが、その読書会が台風で流れてしまったため、そのリベンジということで9月の課題本になりました。

 

今回の読書会に参加して良かったなと思った点は、小さい頃に読んで当時からこの本がずっと好きだったという参加者が結構居て、その方々の話を聞くことができたことです。私自身は課題本に設定されてから初めて読んだので、どうしても社会風刺的側面に目が行ってしまいましたが、この本を子ども時代に読んでいたらどう感じるのかについてはとても興味がありました。

 

実際に子ども時代から「モモ」が好きだった方々の話だと、小さい時は純粋に物語として楽しんでいたとか、食事がおいしそうで印象的だったというような意見が多かったです。それを聞いて、なんとなく自分は素直で気持ちで本を読めていなかったなーと感じてしまいました。教訓のようなものを読み取ることに躍起になって、それを感じ取る心の余裕があまりなかったのかも知れません。

 

もちろん、どちらが良いとか悪いとかって話ではないですが、純粋に物語を楽しむということの大切さに改めて気付かされた読書会でした。一人で読んでるとなかなかそういったことを考えることもないですし、ネット上のレビューなんかよりも実際に会って話したほうが強烈に記憶に残るので、読書というものを考えるきっかけとしてとても良い機会だったと思います。どうしても性格的に物事を小難しく考えたり、深読みをしすぎてしまったりすることが多いので、純粋に物語を楽しもうという気持ちも忘れないようにしたいなと改めて思いました。そうでないと、それこそ物語の中のあくせくしている大人たちのようになってしまいますからね(汗)

 

あと参加者の方々の話で面白かったのが、「灰色の男達=ブラック企業」説ですね(笑)。確かに灰色の男達は僕の中でも、効率を追い求めて生きる人たちの暗喩かなーと漫然と思っていましたが、「ブラック企業」というワードがイメージ的にもぴったりすぎて面白かったです。

 

あとは、主催者の方が言っていた、「なるべく"時間がないから"という言い訳をしないようにしている」という言葉が印象的でした。「時間がないから」という言葉は自分含めて世の中の多くの人が使ってしまいがちなフレーズですが、これを言うのをグッと我慢して、本当にやりたいことに時間を使う気概が必要ですね。

 

また、今回参加して驚いたのは作品としての「モモ」の愛され具合です。今回は半分くらいの方が初参加だったのですが、参加した理由として、課題本の「モモ」がとても好きな本だったからという点を挙げている方が凄く多かったです。そんな方々の話を聞いて、課題本の選定というのが読書会において非常に重要な要素であるということを再認識するとともに、そこまでの思いを持ってこられた方をがっかりさせられないなと感じたわけであります。↓に書いたとおり、今回も進行役をやった立場としては、参加者の方々が楽しんでくれていたら嬉しいなと思う限りです。

 

この作品については考えさせられる部分が多いので、「モモ」を読んで考えたこととかは別途記事でまとめる予定です。現代の社会についてなんとなく感じていることとかと絡めて、ちょっとした文章がかければと思っています。

 

>2018 11/2追記 書きました

【読書コラム】モモ - 描かれた物語と描いていく物語 - たった一つの冴えた生き様

 

引き続き進行

午後の部は、前回に続いて進行役を勤めさせていただきました。皆さんに楽しんでいただけたかどうかは参加者の方々のお心次第なので私がどうこう言える話ではないですが、私自身としては良かった点も改善すべき点もあった進行だったかなと思います。

 

良かった点として、割と前回の反省点を意識して場を回せたことが挙げられる思います。一つは敢えて間を作ること、もう一つは比較的バランスよく話を振れたことです。

 

今回は自分から話題を提供するのを極力やめてみて、かなり意識して間を作るようにしました。やっぱり参加者の方でも色々話したい方もいるようで、かなりじっくり間を作っても、なんだかんだそこまで長い沈黙は発生せずに終えることができたと思います。まあこの辺りはのののさんや他のサポーターの方のご助力もあってのことだというのは間違いないですが、進行役がでしゃばりすぎず場を作れたという意味では良かったと思います。

 

また、始めに順繰りに感想を話しもらう以外でも、少なくとも一人一回は発言する機会ができるように配慮はできたと思います。課題本の読書会としては今回の参加人数12人を1グループでまわすというのは結構な大人数だと思います。その中で、発言したくてもできないということがないよう、極力きっかけをつくることはできたかなと感じています。

 

ちなみに課題本読書会を大人数でやる、というのは主催者のののさんのご意向によるものです。その理由を私の口から言うのはとても野暮ってくらいのアツい思いがあるので、それについての、のののさんのブログの記事へのリンクしておきます。

 

 

改善すべきと思った点は主に二点で、時間の管理ちょっといい加減だったのと、もうちょっと参加者の話を傾聴して適切に話が振れれば良かったなという点です。

 

前回は結構残り時間を意識していましたが、今回は正直に言ってしまうと時間配分を考えるどころか、まともに時計も見ていませんでした(汗)。たまたま、自分がまとめのような発言をしたタイミングがちょうど終了時間だったので、何とか終着点に持っていけましたが、ここは進行としてもうちょっとちゃんと考えるべきでした。誰がどれくらい話しているかとか、どのあたりで読書会の会話を収拾つけるかは、あまりガチガチにやりすぎると面白くなくなってしまいますが、残り時間を意識するくらいはして良かったなと思います。

 

あとは、自己紹介含めて、もう少し誰がどんな発言をしていたかをメモ取ったりして、しっかり把握しながらであれば、もっとスムーズにお話を振ったりできたかなーと思いました。多少記憶に残るようなプロフィールの方とかは頭に入っていましたが、流石にこの人数の話をまわしながら、それぞれの方の特徴を頭だけで把握するのは困難だったので、そのあたりを上手くメモを取りつつできるのが理想だったなと。職業に絡めた話だったり、似た発言・反対の発言に対してとかであれば比較的話すのが苦手な方でも話しやすいと思うので、そのあたりを意識するともっとフランクな雰囲気にできたかもしれないなと思いました。

 

この辺りは上を目指しだすときりがないですが、所謂ファシリテーションスキルを磨ける機会と捉えて、前回よりも少しでも良い会にできるよう挑戦していきたいです。「スキル」というとちょっと打算的な響きがありますが、結局のところ、参加者に「いかに楽しんでもらうか?」を考えるおもてなしの精神が根底にあるんだなー、と今書いていて思いました。

 

夜の部

午前午後の読書会の後は、東京地区としては初の試みとして飲み会が開催されました!読書会ではなかなか話題にならない話しとか、主催者さんの読書会にかける情熱とか、他のサポーターさんのこの読書会への思いとか、いろいろな話ができて貴重な機会でした。

 

ただ、ちょっと飲みすぎたせいで記憶が曖昧なところがかなりの部分あるのがこの日一番の反省点です(汗)。せっかく話したのに覚えていない部分が結構あるのが残念なのと、失礼な発言や振る舞いをしていないかがとても不安です。次回からはもうちょっと節度を持って飲もうと思った次第です。。。

 

まとめ

前回に引き続き、異常に長いですね(笑)。これでも言いたい事をだいぶ抑えているつもりですが、物事をコンパクトにまとめるというのはなかなか難しいものですね。いずれにしても、午前から夜まで非常に楽しめた一日でした!

 

次回の開催日は10月後半になると思いますが、まだ確定ではないようです。まあ、いずれにしても次回もスケジュールを調整して出るつもりなので、とても楽しみにしています。

 

それでは、また!